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参照用 記事

VOODOOな理論達:いいセンいってる南堂久史さん

昨日のエントリー「VOODOOな理論達:平成の万能大学者」の「2004 JIS をめぐる混乱」に関して、安岡孝一さんご本人から教えていただきました。安岡さんは、http://slashdot.jp/~alp/journal/313207 に次のようにコメントなさっているそうです。

JIS X 0213は例示字体を変えましたけど、JIS X 0208は例示字体を変更してません。つまり、JIS X 0213では「2点しんにょうの辻」が例示されてるコードポイントに対して、JIS X 0208では「1点しんにょうの辻」が例示されている。つまり、あるコードポイントに「1点しんにょうの辻」と「2点しんにょうの辻」が包摂されてるってのを、JIS X 0208JIS X 0213の両方で表してるわけです。JIS X 0208について全然触れようともしない「南堂論」に騙されちゃいけません。

まー、それはそうとして、南堂さんて、(世間的にいえば)博覧強記の人ですよね。そのオシャベリを(あまり真に受けないで)聞いたら随分楽しいのじゃなかろうか、って気もします。あのナンダカワカラナイ情熱も素晴らしい。([追記]はてブ「このエントリーを含む日記」に列挙されるようにURL入れておこう。[/追記]

南堂さんの著作はどれも力作/労作だし、ちょうどいいセンをいっている感じ。専門家は相手にしない(なんかのはずみで相手をする専門家もいるようですが:-))内容だけど、特に詳しくない人々にはホントかウソかわからない -- いやっ、本気にしてしまうのでしょう。そのレベル感、バランス感覚が絶妙です。

南堂さん達が(と、ひとくくりにするのは失礼ですが)、よく使う論法に「私の理論を、専門家達も誰一人論破できない」ってのがあります。これは無敵! 手に負えないレトリックです。専門家の皆さんだって、そんなに酔狂でも暇でもないでしょう。ただし、社会的な問題となることもあるので、いつでも見過ごしていいというわけではないでしょうが(「菊池さんの「ニセ科学入門」、田崎さんのエントリー、その他」参照)

南堂さんも江本さんも(と、またひとくくりでゴメンナサイ)例え話が大変お好きですが、「専門家達も論破できない」を例え話で言えばこんなでしょう;相撲好きなオジサンがいます。「俺はこの町内で一番相撲が強い、朝青龍にも挑戦状を送っているのだが、俺を恐れて挑戦に応じようとしない」と吹聴しているとしましょう。オジサンが実際に高砂部屋に“挑戦状”を送ったにしても、朝青龍出てくるでしょうか? それをもって「俺は朝青龍より強い」って宣言するのはいかがなものでしょうか?

さきほど、再び「はてなブックマーク」を見たら、id:nucさんが次のコメントを残していました。

権威に頼るの卑怯ですが物理学科の学生です。内容は間違いだらけです。追って記事書きます。人生初ブクマ☆

nucさん、期待してます。でも、あまり気張らないでね。

ちなみにnucさんは、江本・お水問題でも「shine」という鋭い反例を提示しています(オリジナルはnucさんのご友人とのこと)。これは、水に言葉を見せると反応するという江本理論に対するオチョクリなんですが、茂木健一郎さんが『水は答えを知っている』のアマゾン・レビューに書かれていた論法:

このようなカテゴリーエラーがいかにヤバイかは、「おはよう」と「ばかやろう」の意味が日本語と逆転している言語が世界のどこかにあったら、と考えればわかるでしょう。

をより具体化したものです。 -- 英語のshineは「光り輝く」、よいイメージの言葉、だけどローマ字読みすれば「死ね」、さてお水はどう反応するのでしょう?



[追記]あ、そういえば、id:nak2kさん、id:bonotakeさん、それとnucさんも絡んでいたobjectさん(「オブジェクト系電波文の傾向と対策」参照)も、南堂さんタイプかもしれませんね、情熱的なところとか。その他、VOODOO関係は http://b.hatena.ne.jp/m-hiyama-taxon/voodoo/からどうぞ。[/追記]