「超フィルター(ultrafilter)って何なんだ: 点? 確率測度?」において、超フィルター(ultrafilter)は確率測度とみなせることを紹介しました。しかし、かなり特殊な確率測度で、
- 集合Xのすべての部分集合が事象となる。
- 事象の確率は1か0に限られる。つまり、ほとんど必ず起きる事象か、ほとんど起きない事象のどちらかしかない。
- 可算加法性は要求せず、有限加法性しか保証されない。
このような変わった確率測度において、普通の確率論とのアナロジーはどこまで成立するのか? という疑問が湧きます。そこでハタと気がついたことは、僕、普通の確率論なーんにも知らんわ。高校の教科書に確率もあったのですが、「確率変数」の定義があまりに意味不明で、それ以来毛嫌いしているのでした。
それでも一冊くらいは確率論の本を持っていたはずだと探しました。一年ほど前に大急ぎで引っ越したとき、本はグッチャングッチャンのカオス状態になったので、探すのが大変なんですが、見つかりました。
ファイナンスの確率に関しては、『量子ファイナンス工学入門』という“良書”があります。著者の前田先生は、確率論を駆使して、株式投資に次のようなアドバイスをなさっています(「確率概念はホンットに難しい」から再掲)。
明日の株価予想が当たる確率は50%、外れる確率も50%である。当たるか、当たらないか分からない、つまり外れる確率が50%もある賭けに大事なお金を使うことについては慎重な判断を下すべきであろう。
せきしろさんによる同様な確率の計算例もあります。
かわいい子が来る確率は来るか来ないかだから50%、その子がつまずく[檜山注:隣の席に座ろうとして転ぶ]確率は同様に50%、そして恋が生まれる確率も、生まれるか生まれないかで50%、よって1/8となり、12.5%となる。
なぜか、前田先生の『量子ファイナンス工学入門』と同じ出版社(日科技連)の数理ファイナンス本も出てきました。
これは何だろう? 『量子ファイナンス工学入門』の副読本としてでも買ったのかな。
上記の日科技連本二冊のアマゾンにおける「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」を見ると面白くて; 『ファイナンスのための確率過程』だと著者の一人である木島正明さんの本が並びます。
- 『派生証券の価格付け理論 (ファイナンス工学入門)』 木島正明
- 『ファイナンス工学入門〈第3部〉数値計算法』 木島正明
- 『金融工学―経済学入門シリーズ (日経文庫)』 木島正明
『量子ファイナンス工学入門』では:
- 『人類の月面着陸は無かったろう論』 副島隆彦
- 『宇宙人との対話 (OR books)』 大川隆法
- 『平和宇宙戦艦が世界を変える』 杉山徹宗
と、こうなります。
熊谷本の最初のほうだけでも、ちょっと読んでみようかな、と。