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参照用 記事

J言語の評判

J言語について調べたくても、検索が困難ですね。日本語なら「J言語」「プログラミング言語J」、英語なら「"J language"」「jsoftware」とかで検索するのですが、あまりうまくヒットしません。そもそも情報が少ないのかもしれませんが。

名前が1文字のプログラミング言語がたくさんありますが、検索は困りますね。1文字じゃないけど、Self、Io、Icon、Goとかも探しにくいでしょう。

それでもなにやら探していたら、J言語に関する次の記事がみつかりました。

2つとも短い記事で、読み物としてもたいへん面白いです。

「APL と J」は、RubyのまつもとさんによるAPL/Jの紹介記事で、APL(Jの親とも言えるプログラミング言語)について:

APL は「A Programming Language」の略称です。 なんとも人を食ったような名前ですね。 名前からは典型的なプログラミング言語を連想するのですが、実際には空前絶後、隠れた愛好者は多いものの、絶対に主流にはならないことが運命付けられた言語でもあります。


聞くところによると会計や統計処理の分野では並ぶもののない生産性を実現し、ファンも多かったということです。 しかし、同時にこの特殊文字による簡潔さは APL プログラムの読解を困難なものとして、APL のいわば「元祖 write-only 言語」としての地位を不動のものとしました。

J言語は特殊文字の代わりにASCII文字の組み合わせを使えますが、基本的な性格はAPLと同じです。つまり、絶対に主流にはならない難読言語です。

APLではなくてJ言語の紹介に、次のような節があります。

まず、コメントですが「NB.」から改行までがコメントです。 正気とは思えません。

まったく。正気とは思えません。たぶん、正気ではないのでしょう。APLとJの発明者であるアイバーソン(Kenneth E. Iverson)は頭おかしいです。尊敬にあたいする頭おかしい人を僕は「先生」と呼ぶ(例:メイヤー先生)ので、今後はアイバーソン先生です。

プログラミング言語「J」がオープンソースされた」のほうは、タイトルにあるニュースが主題ではなくて、J言語に関わる思い出話が中心です。J言語それ自体に関する記述は:

コード密度においてAPL/Jを越えるものは無いだろう。なんと一行で「game of life」を実装してしまう: http://catpad.net/michael/apl/ (これはAPLによる)。 その難解度というかとっつき難さも他の追従を許さない。

まー、そうなんでしょう。で、思い出話とは、天才ハッカーJ君がJ言語に出会った夜のこと:

ある夜、仕事を終えてエレベータに入ったらJ君が慌てて追ってきた。Jとかいう素晴しい言語を発見したと口から唾を飛しながら訴えている。明かに興奮している。エレベータに足だけ突っ込んでドアをブロックしているだけで入る様子はいっこうにない。ドアが開き閉まりするなか彼はJの素晴しさを語り続ける。

天才ハッカーは凡人とは感性が違う、ということでしょうか。J君が語ったJ言語の素晴らしさとは:

「数学のような簡潔な表記で考えを表わせる」「よく使うオペレータは意味のある長い名前なんかつけないで記号として覚えてしまった方が効率がいいからな」

うーん、確かにそうなんでしょうが …