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参照用 記事

米田の「よ」とか: ちょっと変わった記法・名前達

昨日id:bonotakeさんがコメントにて:

このようなものを見つけてしまったので、檜山さんにお知らせしたくて。 https://twitter.com/unununum_1/status/860125300104937472

twitterのURLをたどると、平仮名が数学記号に使われている例があります。実は、僕もarXivで同じ例を見つけたばかりでした(なんたる偶然)。

米田の「よ」

赤線が引いてあるところに注目。平仮名の「よ」ですね。これは、次の論文からの引用(PDFを画像でコピー)です。

「よ」の意味は米田埋め込み(Yoneda embedding)です。yとかYとかで表記されることが多いですが、文字'y', 'Y'は他でも多用されるので、固有名詞としては弱いですよね。「よ」なら大変目立ちます。いいですね、これ。

実は去年の次の記事で、

以下のように書いています。

f:A→B に対して、f:A⇒B:CopSet は前節で定義した自然変換です。つまり:

  • (-) = y = (米田埋め込み)

同様に、(-)Cop→[C, Set] という関手で、余米田埋め込み(coYoneda embedding)とでも呼ぶべきものです。次の点に注意してください。

  • (-) = y共変関手 C→[Cop, Set] であるが、この共変関手の特定の値 A:CopSet反変関手である。
  • (-)反変関手 Cop→[C, Set] であるが、この反変関手の特定の値 A:CSet共変関手である。

上付き/下付きで使う'米'を米田の星(Yoneda star, Yoneda asterisk)と呼ぶことにします。口頭では「うえヨネ」「したヨネ」と発音すればいいでしょう。

米田埋め込み(とその反変版)の演算子記法として漢字の「米」を使っていたのです。

  • (米田埋め込み) = (-) = よ(-)

上記論文著者のフォスコ・ロアギアン*1は、論文タイトルからも察しが付くように、文芸的な修辞・装飾とか記法の選択に拘りがある人です。

The End [Explicit]

The End [Explicit]

しかし、「よ」はロアギアンの発案ではなくて、次が初出のようです。

Unicodeが一般的となった今なら、「よ」でも、次のように指定すれば国際的に通じます。

  • Unicode Character 'HIRAGANA LETTER YO' (U+3088)
ヘブライ文字「メム」

これはヘブライ文字の例です。次の論文からの引用。

ヘブライ文字というと、基数を表すアレフ(U+05D0 א)が有名ですが、他の文字も使われることがあるんですね。この文字のUnicode情報は:

  • Unicode Character 'HEBREW LETTER MEM' (U+05DE)
漢字の「圭」

これは、英語版Wikipedia項目 https://en.wikipedia.org/wiki/Racks_and_quandles からの引用です。代数系の名前で「圭」というのがあるんだとか。命名者は日本人・高崎光久さんです。"kei"という表記が普通みたいですが、たまに漢字で書かれることもあります。

*1:発音がForvoにもありませんでした https://ja.forvo.com/search/Loregian/ 。よって、カタカナ書きはあてになりません。