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参照用 記事

不定期開催「モニャダラセミナー」の趣旨説明書

最近プライベートなセミナーをやってないのですが、「再開しようかな」と思っています。

ネタはイッパイあるんですけどね、億劫なんですよね。で、なんで億劫になるのかというと、元来僕は怠け者でメンドクサガリ屋だからです。そのくせに、やるとなると「ちゃんとやらなくちゃ」みたいなプレッシャーがかかってしまう。それで、告知文書を作ったりストーリーを考えたり資料を作ったりという作業がイヤになってやめちゃうわけです。

モニャドセミナーはインフォーマルな形にしたので負担はだいぶ減りました。それでもまだ僕には面倒な感じがするので、さらにインフォーマルでイイカゲンな方向に堕落した形態セミナー(と呼べるか?)を企画しました。ネタとやり方はモニャドセミナーとほぼ同じです。が、ダラダラっとやるので、名称は
「モニャダラセミナー」
とします。どのへんが「ダラ」なのかというと、次のようなことです。

  1. 告知はこのブログだけ。参加希望はコメントかメール。
  2. スケジュールの調整はしません。
  3. 会場・設備費と飲食代は割り勘負担です。
  4. ネタはその時の思い付きです。
  5. 資料はろくに準備しません。
  6. 内容はアドリブに近いです。
  7. 参加者が少ないときは中止にします。
  8. 二次会の幹事は僕はしません(原則として)。
  9. 参加者にお手伝いを頼むかも。

もう全然やる気なさそうですが、そうでもないんです。やる気あるんですよ。だってやろうとしているんですから。やる気があっても負担感があると、それに負けちゃうので、めんどうさを最小化したいということです。

という趣旨なんですが、やるなら参加しようとか、趣旨にご賛同していただける方、その他ご意見などありました、コメントでもブックマークでもメールでもトラックバックでもなんでも、お知らせくださいませ。


もはやクリスマスや忘年会のシーズンで、会場確保が難しいときは、モニャダラ初回は来年かも。


どんなことを話題にしたいか、というと、だいたいはこのダイアリーやメモ編に書いているような内容(特に「不純な計算科学」あたりのこと)なのですが、文章だけでは伝わりにくいことを口頭とホワイトボードでやりましょう、みたいな。あるいはまた、文章で書くとけっこうな量になるので結局は書けなかったこと、とか。

例えば、一時Catyに正規表現型(regular expression types)を入れようとして準備してました。しかし、現実的な都合からこのプランは無期限延期。でも、必要なアルゴリズムは出来た(ように思われる)ので、公表したいのですが、ちょっと書く気にはなれない(長い!)。しゃべるなら何とかなるかも。これは、オートマトンの模倣の議論で、二重圏をモデルにしてます。

あとは絵算関係。そもそも文章では伝わりにくいですからね、…… マー絵だからな。絵算は描いている現場を見ないと分かりにくいです。一般教養的に、線形代数≒行列計算(の初歩)を全部絵算でやってみるとかもいいかな。

圏論、特にモナド関係では、ベックの法則(分配法則)とかモッジのテンソル強度とか。圏論プロパーな話題のように思えますが、ソフトウェア的な解釈ができます。複合データ構造の合理的な作り方を述べている、と言えるのです。モナドからクライスリ圏はいつでも作れますが、クライスリ圏をモノイド圏にする事が出来るとは限らないし出来ても簡単じゃないかも知れません。ここらへんが難しいし面白いところ。

ボブ・クックは、「モノイド圏は物理の道具であると同時に、いやそれ以上に物理的な実在である」てなことを強調してますが、モノイド圏は計算的な実在でもあるように思えます。例えば、タイムスライスしてマルチタスクすると、1台のコンピュータで複数台のコンピュータをシミュレートできますが、なぜそんな事が可能なのでしょう? インストラクションをインターリーブしてもグチャグチャにならないのはメモリ空間を分離しているからです。メモリ空間の分離さえしておけば、時間方向のインターリーブ(シャフル)は許されるのです。これはモノイド圏の定義そのものなんです…… 絵を何枚か描けば説明できます。

僕は、goto文とデータフロー(あるいはデータパッシング)を使った制御構造に興味があるのですが、これをなるべく安全に定式化してみると、不動点演算子の双対になっています。狙ったわけじゃないのだけど、結果としてそうなりました。「節度あるgoto」は余不動点だった、と。使った枠組みはトレース付きモノイド圏です。

コンパクト閉圏は、随分と以前から「使ってやろう」と思っていた概念です。デスクトップアプリケーションや業務システムのコンポネントの記述に使えるだろうと思っていたのです。コンパクト閉圏がWebの記述にも使えることがハッキリとしたのは割と最近。COMET(逆HTTP)コンパクト閉圏の双対(随伴)を与えるのです。

ごく最近、MongoDBの問い合わせ言語をコンパイルターゲットにすることを考えたんですが、普通の古典論理が無闇と役立ったので、実務論理の話もいいかも。Catyの型推論においても、ある種の演繹系と包含付き圏を使います。

と、まー、ネタは割とあるでしょ。



[追記]

Takaiさんから許可をいただいている http://www.flickr.com/photos/recompile_net/sets/72157603335973450/ から選ぶなら、次がモニャダラっぽいでしょうか。



[追記]

「ストレージの線形代数: 泥臭いデータ操作の洗練された定式化」あたりで述べたことを話題にします。線形代数が絡んでいるので、「線形代数を絵算でやる方法=線形絵算」の入門を付けます。

方向性としては、ストレージとかトランザクションの話からベックの法則とかテンソル強度の方面に進みたいな、と。ベックの法則は、だんだんドンドンと、その重要性が身に染みてきた概念です。ベックの法則、ダイジ・ダイジ。

別なエントリーでもう少し詳しく書くかも。