Cが圏であり、A, Bは圏Cの対象とします。AからBへの射の全体は C(A, B) と書かれ、ホムセット(ホム集合)と呼ばれます。HomC(A, B) という書き方もあります(昔はこの記法が主流だった)。Cが了解されているなら、単に Hom(A, B) とも書きます。
いまは詳しく説明する気はないのですが、対象だけじゃなくて射に関しても、Hom(f, B) とか Hom(f, g) とかの書き方が合理化されます。結果的に、Hom(-, -) は、Cop×C→Set という関手になるので、Hom(-, -) はホム関手となります。
ホム関手は指数関数の類似物とみなされます。指数関数とは、ba の形で、二変数関数として扱うことも、aかbのどちらか一方を固定した一変数関数とみなすこともあります。aを固定した λx.xa は、指数関数というよりベキ(漢字で書くと冪)関数ですが、ここでは、「指数、ベキ(冪)、累乗」をうるさく区別しないことにします。
さて、集合圏のなかで考えることにして、0は空集合、1は単元集合(例えば 1 = {0})とします。プラス記号は集合の直和、掛け算記号は集合の直積、イコール記号は集合の同型を意味するとして、次の等式が成立するのは分かるでしょう。
- Hom(A + B, C) = Hom(A, C)×Hom(B, C)
- Hom(A, B×C) = Hom(A, B)×Hom(A, C)
- Hom(0, A) = 1
- Hom(1, A) = A
- Hom(A, 0) = 0 (ただし、A≠0)
- Hom(A, 1) = 1
- Hom(0, 0) = 1
これらは、指数に関する次の等式に対応してます。
- ca + b = ca×cb
- (b×c)a = ba×ca
- a0 = 1
- a1 = a
- 0a = 0 (ただし、a≠0)
- 1a = 1
- 00 = 1
書き方は随分違いますが、内容的には同じでしょ。
[追記]次の記事にもっと基本的なことが書いてあります。
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