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参照用 記事

幼稚園児のための量子力学とその周辺

メモ編のほうに書いたことなのだけど、ニヤニヤできるネタだから本編(ここ)にも書いておきます、とりとめもなく。

Bob Coeckeのレクチャーノート

コレ:

量子テレポーテーションや量子絡み/もつれ(entanglement)の解説です。背後では圏論(強コンパクト閉圏)を使ってますが、予備知識はほぼゼロで、カラーのきれいな絵をふんだんに使って説明しています。Bob Coecke (ボブ・クック)曰く:

Of course we do not expect you to know about category theory, nor do we want to encourage you here to do so. The whole point about these notes is the graphical calculus which could be taught in kindergarten.

幼稚園児でもわかる/できるらしいですよ。…… でもこのせりふ、どこかで聞いたような、、、って俺が言ったことがあるのだ!

檜山@お絵描き圏論 曰く:

コンパクト閉圏は本質的にやさしいものなのだ。小学3、4年生なら、計算のルールを理解できるし、実際の計算も遂行できるだろう。その計算とは、「図形ゲームに過ぎない」のだから。

楽しい(?)絵算

"Kindergarten Quantum Mechanics"も「お絵描き圏論」も(と並べるのもおこがましいが)、graphical/pictorial calculationを使っています。僕は「絵算<えざん、えさん>」て訳語を作ってみたのですが、いかがでしょう。

絵算の手順じたいは、ほんとに幼稚園児/小学生のレベルなんだけど、計算(絵を描くとか、積み木のようなモノをいじること)が何を意味しているかがわからないと、楽しくはできないかな? もっとも、普通の計算も、子供は意味をわからずにやっているようだけど(「子供も大人も変わらない -- 考えるって難しい」とかとある記事の「はじめに」を参照)。

それはそうとして、渋谷センター街で前から歩いて来られると、とりあえずよけた方がいいニイチャンという雰囲気のBob Coeckeは、絵の描き方を工夫して楽しい感じを出しています。意外にもセンター街を歩いていたのは東急ハンズで工具買って自作のオモチャを作るやさしいお兄さんでした、ということか(って、なに言ってるかワカラン)。

Bob Coeckeの工夫*1

  1. 色を付けている。
  2. 四角、三角、菱形を使い分けている。
  3. 特に三角の使い方はうまい!
  4. 矢印を下から上に描き、それを上から下に読みくだすと、ディラックのブラケット記法になる。
  5. いやーっ、やっぱり三角の使い方がうまい。

*1:Abramskyなどのオックスフォード・グループの流儀ってことかもしれない。