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参照用 記事

矛盾から矛盾が出ても、どこにも矛盾なんてない

酒井さんのヒビルテ経由;『論理と計算のしくみ』という本に曰く(Φは空集合のつもり):

A≠Φ ならば,AΦ は一つの関数からなる集合であり,一方 ΦA=Φ でもあるので,これらの二つの場合が交錯する ΦΦ という式は,矛盾していると考えることも出来る。

『論理と計算のしくみ』はまったく見てません*1が、「矛盾していると考えることも出来る」はウソで、「矛盾していると考えることは出来ない」でしょう。

酒井さん:

A≠Φ ならば AΦ と ΦA は重ならないし

そのとおりです。どこにも矛盾なんてないですよ。念のため論理式で書き下せば、iをΦからAへの(唯一存在する)埋め込みとして、

  • A≠Φ ⇒ (AΦ = {i})∧(ΦA = Φ)

ΦΦという式を作るには、AΦ または ΦA のAをΦにしなきゃいけない、それで、AをΦで置き換えると、

  • Φ≠Φ ⇒ (ΦΦ = {i})∧(ΦΦ = Φ)

「矛盾」という言葉を使っているのは、上の論理式(formula)の含意(記号「⇒」を使った)の右側

  • Φ = {i})∧(ΦΦ = Φ)

について言っているのでしょうが、含意の左側が Φ≠Φ なんだから、これは単に「矛盾 ⇒ なんでもいい」(この場合は「矛盾 ⇒ 矛盾」)という、古典論理では当たり前のことを言っているに過ぎません。「お日様が西から昇るんだから、なんでもあり」というバカボンのパパの論法ですね。

言いたいことはわからんでもないけど

僕は、何を言いたいのかサッパリわからないなぁ。

*1:したがって、引用文がなにか特殊な文脈内で語られている、という状況は(仮にあったとしても)無視しています。