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美文字から何を判断するのか?

昨日のことですが朝のニュースで、学生が就職活動のために“美文字”教室に通っている、といった話題が取り上げられていました。

僕は極端な悪筆で、それに対する劣等感もあります。だから偏見まみれであることを逃れられませんが; 「エントリーシート・履歴書の字がキレイだ」って事に、どれほどの意味があるわけ? と疑問を感じる、つうかいきどおろしいんですけど。

例えば、履歴書添付の女性の写真から容姿を判断して、それにより最初のスクリーニングをするとします。こういうことって、あまりヨロシクナイと認識されていますよね。採用担当者が「ウチは、まず写真の容姿を見て足切りします」「美人かどうかが決め手です」とか、昨今堂々とは言いませんよね。でも、“美人”ならぬ“美文字”だと、「文字のキレイさでやる気を見る」だの「社会人として必要なスキル」とか普通にのたまっているのですよね。

実際のところ、「美人かどうかが決め手」って状況はありますよ。だって、「美人≒能力がある」と判断すべき職種は存在しますから(美容整形でも化粧技術でもOK)。そういう職種なら、容姿で判断して悪いことはないと思います、容姿が適性の一部なんですから。同様に、「美文字≒能力がある」という状況なら、字のキレイさで適性を判断するのは妥当でしょう。

ところが、ニュースに登場した学生は化学だか物理だか専攻で、たぶんその分野の企業に就職するのでしょう。写し出された実験ノートを見るかぎり、汚いけどまー読める程度。僕よりはマシですよ。その彼は、“美文字”教室に通い、毎日3時間の書字練習をしているそうです。

だいぶ上達して、キレイな手書きエントリーシートが書けるようになったそうです。… 人が読める程度の実験ノートが書けるんだからそれでいいじゃん。論文やレポートはどうせ手書きしないだろうし。毎日3時間 -- その分、卒業研究しろよ、と言いたくなります。

昔から、大学生は勉強しないのが相場ですが、企業の評価基準が、コミュニケーション能力だの、協調性だの、ボランティア活動だの、あげくの果てに字がキレイかどうか。真面目な学生さんも、いや、真面目であればあるだけ、これらの評価基準に沿った努力をするわけだから、そりゃ本来の勉強も研究も出来ないでしょう。

高校までは学力第一/学力絶対で、お習字が受験に関係するなんて(まれな例外を除いて)ないのに、社会に出るときは毎日3時間の書字練習、なんか歪んでる。