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はじめてのメールはスパムと判定されることがあります。最初は、信頼されているドメインから差し障りのない文面を送っていただけると、スパムと判定されにくいと思います。

参照用 記事

目で見えるだけじゃなくて、機械可読なデータをくれー!

奥村先生の論説『「ネ申 Excel」問題』の指摘には強く同感・同意します。僕も、2011.3.11東日本大震災のとき、Web上の情報が目視でしか確認できないもの(画像やPDF)があり困惑しました。この話は、災害時だけのことではなくて、Linked Open Dataの文脈でティム・バーナーズ=リーが叫んでいた「Raw Data Now!」にも通じます。

僕自身に関わる話をしましょう。

僕の今の事務所は低地にあるので、目黒川が氾濫すると浸水の危険があります。次のURLにアクセスすると、目黒川の水位をほぼリアルタイムにグラフ表示してくれます。

たいへんにありがたい情報なんですが、水位は画像なんです。次のURLの画像が定期的に更新されるのです。

人が目で見る以外に解釈・判断する方法はありません。

画像により表示される情報を適当なWebAPIで取れれば、いや、HTMLの特定の位置にテキストで入っているだけでも、水位をポーリングして一定の閾値<いきち、しきいち>を超えたらメールや他のメッセージング手段で通知するようなアプリケーションは作れます。長期間のデータを分析すれば、雨量と水位に関して何らかの知見が得られるかもしれません。

画像だけによる情報の提供は、そういう可能性をすべて潰してしまうのです。「長期間のデータを分析すれば、雨量と水位に関して何らかの知見が得られるかもしれません」といった話には、「専門家でもない一般の人が分析できるわけないから公開しても意味ない」といったことになりがちですが、「できない/意味ない」と断言はできないでしょう。事前には予測できない応用の可能性があるからこそ、データを、機械可読なデータを公開する意味があるのです。