viXra.orgという論文アーカイブサイトがあります。「ヴィクスラ」と発音するのかな? サイトの名前とデザインは、arXiv.orgを真似てるんだかパロってるんだか。実際、arXiv.orgのオルタナティブを標榜しています。
http://vixra.org/why によると、arXiv.orgの承認システムによって投稿を阻まれている人々でも自由にアーカイブを公開する場を与える、ということらしいです。原則的に投稿は拒否されません(引用: We will not prevent anybody from submitting)。
これで思い出すのは南堂さんです。
南堂さんは、ご自身の“超球理論”をarXiv.orgに投稿したいけど承認を得られない、と嘆いていました。そんな南堂さんでも、viXra.orgなら投稿できるんじゃないでしょうか。
ただし、ものには限度があって、viXra.orgであっても、猥褻、誹謗中傷など公序良俗に反する内容、剽窃・盗用、危険性を持つ誤謬は拒否または削除される、とのこと。「危険性を持つ誤謬」(dangerously misleading)は微妙ですね。例えば、「ガンは通常医療に頼らずホメオパシーで治せ」という内容は「危険性を持つ誤謬」とみなされるのか否か?
南堂“超球理論”は危険性を持つように思えないので、たぶん大丈夫でしょう。
こんなゆるい基準で投稿を受け付けていると、トンデモ論文サイトになってしまうのではないか? その点は覚悟の上らしいです。
It is inevitable that viXra will therefore contain e-prints that many scientists will consider clearly wrong and unscientific.
このような事情から、多くの科学者が明らかな間違い・ニセ科学であると判断する電子的プレプリントがviXraにアーカイブされるのは避けようがない。
それでもなお、投稿と公開の自由を担保して、通常なら無視されてしまうような優れたアイディアを拾い上げる機会を提供する、という理念なんですね。
viXra.orgにたどり着いたのは、割と珍しいキーワードで検索して見つかったPDF論文でした。URLは全然気にしてなかったんですが、内容がどことなくアヤシイのです。その論文のサイトがviXra.orgだった、というわけです。
今まで知らなかったのは、Googleでの検索順位が上位には来ないからでしょう。まー、上位に来たらマズイ気はします。
viXra.orgの意義を判断するのは難しいですが、このサイトの論文を読むときはフルスロットルの注意力と判断力が必要なので、疲れるなー、とは思います。
[追記]次はジョークサイト:
The snarXiv is a random high-energy theory paper generator ...
[/追記]