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参照用 記事

ファインマンその人に聞こう!

直前のエントリー「南堂久史さん、その強さの秘密」より:

それ[注:南堂さんのトンデモナクわかった気分になる解説]に対抗するには、単に正しいことを述べるだけではなくて、同程度にわかった気分にさせる解説が必要になります -- それって、もはやミッション・インポッシブルだよなー。

いやっ、まてよ。こんなインポッシブルなことを、やってのける奴が人類史上一人くらいいたような気がするぞ。そう、ファインマンその人ですがね。

ファインマンは、ノーベル賞を受けた物理学者ですが、自伝的エッセイ『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(ISBN:4006030053ISBN:4006030061)などで、物理と縁のない人々にも人気があります(若き日のラブストーリーは映画にもなっているし)。とにかく話が面白くって、教科書を書く名人でもあると、そういう人です。

そのファインマンさんの非専門家向け著作の一冊:

光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学

光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学

講演をもとにした本ですが、序(ラルフ・ネイトンによる講演者紹介)とファインマンの挨拶から引用しましょう。

リチャード・ファインマンは、彼独特の自然観で独自の学問を築いてきた物理学界の伝説的人物である。決して既知の事実をうのみにせず、根底から自分で考えぬくことで、彼はしばしば自然現象をまったく新しい視点から見直し、理解を深めてきた。そしてこの学問を新鮮でエレガントで、しかも簡潔に説明することのできる誠に珍しい人である。

いわゆる「ポピュラーな」科学解説というものは、得てして内容をゆがめてしまったり、似ても似つかないようなものに変えてしまったりすることで、見かけはわかりやすくしているものが多いようだ。しかしこの本の主題を尊重するわれわれの気持ちが、そのようなことだけはどうしても許さなかった。何時間もの話し合いを通して、真実をゆがめてしまうような妥協をすることなく、もっとも簡明でわかりやすい量子電磁力学の解説を試みたつもりである。

ファインマンさん登場なら、見事ミッション成功だ。