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参照用 記事

きくちさん、弾さんはエンタテイナーなんです

きくちさん、

ネタでもだめです

と出張<でば>っていったみたいですが、

これ以上は不毛なので僕はもう書きません

あー、やっぱり。

で、ここに戻って続きのコメントを書いていただいたみたい、ありがとうございます。ブログ書き手本人の特権を使って、コメント欄への応答をエントリーにします。



きくちさんは、弾さんと(普通の意味の)“議論”ができると期待したのかもしれませんが、それは所詮無理。僕は、「もうやめるか/論点を絞るか、どっちかにしませんか」において、かなりきついルールを提示し、このルールのもと“リング内でクリーンファイト”をしませんか、とお誘いしているのですが、弾さんがこれを受ける可能性は“ほぼ”ないでしょう。仮に受けても、「ルール違反=論点ズラシ、一般化/曖昧化」をしそうです。
そもそも弾さんのあの語り方 -- 自明で納得できる言明のなかに奇妙な主張を織り交ぜる -- は一種の話芸なのです。「自明で納得できる言明」への読者の相槌<あいづち>と合意をテコに、「奇妙な主張」も説得感のあるものにみせるわけ。論点ズラシもまた、多用される地口(洒落)同様、話芸/エンタテインメントを構成する技術です。

弾さんの語りは、きくちさんや僕に向かってはいません。きくちさんが提示した疑問や反論に正面から答えるわけはないのです。なぜなら、弾さんはエンタテインメント/サービスの人であり、弾さんの話芸を楽しんでいる多くの読者に対して語りかけ、芸を披露しているのですから。

僕は、弾さんのエンタテインメント手法を批判する気はありません。だって、エンタテインメントなんだもん。それに、僕自身がid:sumiiさんに「言葉や論理の正確さよりも話の楽しさ・面白さをとる(?)みたいなポリシーが何となくわかったような気がします。」(http://d.hatena.ne.jp/m-hiyama/20060223/c/ 参照)と納得していただいた(?)程度にはエンタテインメント志向なんで、どうも共通な傾向性もあり、自己批判/自己否定になっちゃうので。

ただし、江本“水伝”理論は、(1)教育に(非公式にでも)取り入れられた点、(2)詐欺的ビジネスの基盤となっている点で、シリアスに批判的なんです。そのシリアスに批判的な問題に対して、弾さんが奇妙な提案やら、(論点ズラシの後で)ワケワカラン論評をしているので、口をはさまずにおれなかった、という次第。僕が口をはさんだあの異論も、弾さんのテクニックで料理されてしまうことは、それこそ想定内です。が、しかし、本質的な論点がどこにあるかを推察する読者もいることでしょうから、無駄ではありません。もちろん、同様な理由で、きくちさんのコメントも無意味ではなかったのです。

弾さんにかぎらず、通常の(というかロジカルな)議論が通用しない人は非常に多くいます。(弾さん個人に限って言えば、ロジカル・モードを持っているだろうが、Web上の芸風がアレなんでしょう。)しかも、単純に知的トレーニングが不足しているということではなく、どうみても優秀なんだが、議論の(個別的内容ではなく)フレームが歪んでいる人もいます。この点は、ニセ科学への対応でも、けっこう頭痛の種になりそうです。優秀な人が歪んだフレームを上手に(?)駆使すれば、ニセ科学擁護/正当化もできてしまいますから。そして、フレームの歪みは、(一般には)検出と矯正が難しいですから。