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参照用 記事

米田埋め込み: 上付きの星と下付きの星

小ネタです。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}\newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}}\newcommand{\hyp}{\text{-} }`$

米田テンソル計算 3: 米田の「よ」、米田の星、ディラックのブラケット 再論 // 米田の星と米田埋め込み」で次のように書きました。

米田埋め込み/余米田埋め込みを、「米」を上下に付けて表す記法も我々は使います。

  • $`a^{米} := よ^a = \cat{C}(-, a)`$ 米田埋め込みの値
  • $`a_{米} := よ_a = \cat{C}(a, -)`$ 余米田埋め込みの値

最近は余米田埋め込みのほうは $`よ^\vee_a`$ のように書いてます。引数なしでも $`よ, よ^\vee`$ で米田埋め込み/余米田埋め込みの区別ができるからです。

さて、圏 $`\cat{C}`$ の対象を $`A,B, X, Y`$ などで書くことにして、米田埋め込みは「米」じゃなくて普通の星印〈アスタリスク〉で $`A^*`$ でもいいかな、とも思います。が、射 $`f`$ によるプレ結合引き戻しを $`f^*`$ と書く習慣と整合しません。で、無理やりにでも整合させたくなりました。

我々が注目する反変関手〈前層〉は $`\cat{C}(\hyp, A) : \cat{C}^\mrm{op} \to {\bf Set}`$ です。これは米田埋め込みの像〈値〉なので $`A^*`$ と書くことにします。ただし、この記号は関手の対象パートに対して使います。

$`\quad A^* = A^*(\hyp): |\cat{C}| \to |{\bf Set}|`$

同じ関手の射パートは $`(\hyp)_A^*`$ と書きます。

$`\quad (\hyp)_A^* : \mrm{Mor}(\cat{C}) \to \mrm{Mor}({\bf Set})`$

この書き方で $`f:X \to Y`$ の値を書いてみます。

$`\quad f_A^* = (f : X \to Y)_A^* : A^*(Y) \to A^*(X)`$

これは次と同じです。

$`\quad \cat{C}(f, A) = \cat{C}(f : X \to Y, A): \cat{C}(Y, A) \to \cat{C}(X, A)`$

双対的にポスト結合前送りなら:

$`\quad f^A_* = (f : X \to Y)^A_* : A_*(X) \to A_*(Y)\\
\quad \cat{C}(A, f) = \cat{C}(A, f : X \to Y): \cat{C}(A, X) \to \cat{C}(A, Y)
`$

$`A^*`$ と $`{^*_A}`$ 、$`A_*`$ と $`{_*^A}`$ なら、同じ関手の対象パートと射パートだと言っても、まー許されるのではないでしょうか。