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参照用 記事

余加群 の検索結果:

図式思考の例として、コモノイドについて考えてみる

…かし、コモノイド上の余加群まで考えると、メモリーやデータベースなどのストレージの代数的モデルができたりします。 このブログ内、「余加群」の検索結果 集合圏のコモノイドは複製に限るのですが、他の圏では事情が変わります。同じ概念でも、環境となる圏(いわば世界)が変わればまったく様変わりしてしまうことは多いのです。例えば、(適当な体上の)ベクトル空間の圏Vectのなかで、コモノイドを考えると、それは余代数〈coalgebra〉になります。集合圏とは違って、ベクトル空間の圏のコモノイ…

『圏論による量子計算と論理』はエキサイティングだ (1/2)

… 対角コモノイド上の余加群と古典観測 2008年以前も(以後も)、ボブ・クックのお絵描き量子論はちょくちょく紹介してます。 幼稚園児のための量子力学とその周辺 2006年 ボブ・クックの「物理系実務者のための圏論入門」 2007年 「物理系実務者のための圏論入門」への補遺+檜山の戯言 2007年 ボブ・クックの「お絵描き大好き 量子絵図主義」 2010年 ヒューネン本の主題のひとつであるダガー・コンパクト閉圏について言えば、当初アブラムスキー/クックは強コンパクト閉圏〈str…

「余」と「双」の使い方がバラバラ

…ぶ人もいます。加群、余加群、双加群モノイドMと集合Sがあって、写像 α:M×S→S が適当な条件を満たすとき、モノイドMの集合Sへの作用(action)と呼びます。単にM-作用(M-action)と呼ぶこともあります。M×S→S と S×M→S を区別したいときは、左作用(left action)と右作用(right action)です。「ベクトル空間、線形写像、テンソル積」のモノイド圏におけるモノイドは代数(多元環)と呼びます。同じ圏における余モノイドは余代数で、双モノイド…

メイヤー系のインデックス付き圏

…余作用cによりSはV余加群となることです。Sは、M加群構造とV余加群構造を持ちますが、この2つの構造のあいだの関係は規定しません。(S, q, a) と (T, r, b) がメイヤー対 (M, V) 上の2つのメイヤー系として、写像 φ:S→T がメイヤー系の準同型射だとは、次が成立することです。 s∈S に対して、r(φ(s)) = q(s) (観測値の不変性) s∈S、x∈M に対して、b(φ(s), x) = φ(a(s, x)) (作用に対する同変性) メイヤー系と…

僕は嫌いなのだが、バイダイレクショナルな自然変換計算はこうする

… 対角コモノイド上の余加群と古典観測 モナドとテンソル強度の楽しいお絵描き 絵算(ストリング図)は一般的にかなり使われていますが、徹底して左から右の図式順記法はあんまり使われていません(ユーザーは僕だけかも ^^;)。致し方ないので、バイダイレクショナルな記法を説明します。しかし、次の点は譲れないです。 射の結合(composition)は、左から右に f;g と書く。気になる人は、f;g が出てきたら g・f に置き換えてください。 自然変換αのA成分は、αA と下付き添字…

メイヤー代数/メイヤー加群の定義を仕切り直す

… が余モノイドV上の余加群となる。 このとき、(A, α, γ) を、(M, V, β) 上のメイヤー加群(修正した定義)と呼ぶことにします。次の点が以前とは変わっています。 係数域は単なる両モノイドである。したがって、モノイドMと余モノイドVは「ほとんど関係がない」。 同じ台対象Aに加群と余加群の構造が載っているが、この2つの構造も「ほとんど関係がない」。 MとVのあいだには入れ替え(スワップ)βがあるが、AとM、AとVを入れ替える手段は与えられてない。 これは、双モノイド…

テスト付きクリーネ代数の圏論的な定式化

…とみなしたBに関して余加群になっているとき、pをクエリー射と呼ぶことにします。ブール値を取るメイヤーのQueryに対応します*4。B×A 上には、B左作用(左スカラー乗法)αA:B×A→A があるので、クエリー射pと左作用αAを結合して、p;αA:A→A が作れます。p~ := p;αA と置いて、p~ をクエリー射pに対応するテスト射と呼びましょう。テスト射はもちろん、テスト付きクリーネ代数のテストに対応します。クエリー射p, q:A→B×A に対して、論理AND p∧q …

トランザクションの代数、ちょっとだけ

…いう条件は、余代数や余加群の余結合律(coassociative law)ですね。状態空間をSとして、観測値の集合をV、観測(エクリー)を q:S→S×V、Vのコピー操作を Δ:V→V×V とすると: q;(idS×Δ) = q;(q×idV) これは、加群のスカラー乗法(モノイドの状態空間への作用)に関する結合律の双対です。この等式が言っていることは、クエリーしてコピー(2つの同じ値)を作っても、2回クエリーしても同じだということ。つまり、READのREPEATが可能で、同…

加群とオートマトンとインデックス付き圏の転置

…つまり余モノイド上の余加群構造を考えて、観測を保存する射を使う。 EP圏(またはPE圏)が扱いは楽なので、ここではEPペアを使うことにします。状態空間の射に沿った圏の引き戻し以下、加群のスカラー乗法は右加群の形で書きます。(N, T, b)がモノイドN上の加群で、f:M→N がモノイド準同型のとき、(M, T, a)を、a:T×M→M, a := (idT×f);b と定義して、加群の引き戻しが定義できます。この引き戻しは、モノイドの射に沿った(逆方向の)移動です。(e, p…

メイヤー代数、メイヤー指標、メイヤーオートマトン

…加群、コモノイド上の余加群とかは何と呼ぼうか? って話があります。一時、「双モナド」か「両モナド」かと悩んでいました(今はどっちでもいい感じ)。「カテゴリカル・モデリングに向けて」では、End(C)内の加群を、苦しまぎれに「モナド加群」と呼んでいます。「モナド的代数系と一般化クライスリ圏」では「モナド的」という形容詞を出してみました。アルテンキルヒ達(Thorsten Altenkirch, James Chapman, Tarmo Uustalu)が「モナド類似物」(mon…

メイヤー先生からモナド類似構造へ

… 対角コモノイド上の余加群と古典観測 対称モノイド圏のなかのメイヤー代数さて、メイヤー代数の定義をザッと述べましょう。以下、記号の乱用をして、台対象とその上の代数系に同じ記号を使う(意図的混同をしている)ので注意してください。メイヤー代数は、群やモノイドのような単ソート代数ではなくて、ベクトル空間や加群のような多ソート代数です。背景となる対称モノイド圏Cのなかの2つの対象M, Vを取ります。気持ちとしては、MがCommand(更新操作)のモノイド、VがQuery(観測操作)の…

プログラミングの魔導書 vol.1 まもなく予約締切

…「対角コモノイド上の余加群と古典観測」のようなことにも関係するかも。id:faith_and_braveさんのオーブンの話; 「並んだモノ達」という概念を、実用性や効率性を維持しながら抽象化すると、アーこうなるのかぁー、って、その経緯を堪能できまっせ。「オーブンが並んでいるって、そりゃなんだ?」って、、、、 知りたいなら「皆さん早いとこ予約しましょう」。ともかくも、(手垢がついた陳腐なセリフだが、あえて)豪華執筆陣で内容充実。それと同時に『魔導書』には、別な意義もあります。そ…

圏論的Caty:ミニパイプライン

…するなら、問い合わせ余加群(readするAPI)と単一代入モノイドが作用する更新加群(updateするAPI)とかを使うけど、面倒なので、f:V×A→V×B という形の写像(背景圏の射)を使うことにします。fは、メインストリーム入出力 A→B 以外にVを読み、それを変更(要するに代入の副作用)した結果も返すとします。Eは捕捉不可能例外のクラス(型)、Fは捕捉可能例外のクラス。例外クラスが2つある点は、通常Catyスクリプトより複雑です。メインストリーム入出力が A→B である…

圏論的Caty:コマンド宣言の向こうにあるもの

…に、コマンドが使用するスタンピング・{モナド, コモナド, 両モナド} だったのです。これらのスタンピングは、一般化クライスリ圏を定義します。そして、コマンドのモデルは、構成された一般化クライスリ圏のなかに取られます*2。つまり、コマンド宣言は、そのコマンドのイデアがどこに棲んでいるかを表現しているわけです。 *1:実際には、引数パターン(シグニチャ)によりコマンド名をオーバーロード可能なので、もう少し複雑になります。 *2:加群、余加群、両(双)加群のような構造も現れます。

コンピュータ系実務者のための双対性(概略)

…「対角コモノイド上の余加群と古典観測」)。片側の世界ではよく知られた簡単な概念なのに、双対の世界では未知の難しい概念だったりします。つまり、双対の世界に移ることにより、未知の難しい概念をよく知られた簡単な概念に帰着できる可能性があります。今言った事情から(その他の理由からも)双対は役に立つのですが、仮に役に立たなくても、人間は、ペアや対称性が好きみたいです。双対性を見いだすだけでもけっこう楽しいと思いますよ。 エントリータイトルは、ボブ・クックの「物理系実務者のための圏論入門…

対角コモノイド上の余加群と古典観測

…加群概念の双対である余加群を考えると、観測操作を定式化できるんですよね。この観測は、「二度続けて観測しても同じ観測値を得られる」という意味で「観測対象に影響を与えない」ので、古典的な観測と言えるでしょう。集合圏の対角コモナドコモノイドを、別な圏の別なコモナドコモノイドにすれば、たぶん量子的な観測も定式化できるし、アブラムスキー組がやっていたはず。物理的あるいは哲学的な意味を議論しなければ、全然難しい話じゃないので、絵算で説明しましょう。モノイドとコモノイド対角演算、いや余演算…

A/C流の量子情報処理の理論とは、たぶんこんなもの

…ロベニウス余代数上の余加群の圏、あるいはコモノイドによるスタンピング・コモナドの余Kleisli圏を使う定式化です -- ウゲーッ、なんだそりゃあー!? でしょ。でも、気を落ち着かせてみると、洗練された整合的な定式化に思えます。ヴィカリィ(Jamie Vicary)が、この定式化が以前から使われているもの(C*環)と同値なことを示しているようです*3。悲しき大人達A/C流の量子情報学はまだ完成はしていません。もし完成すれば、今までとはまったく違った、効率的な教育カリキュラムを…