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参照用 記事

絵算したい人のためにオススメする3つのストリング図解説 (とオマケ)

[追記]絵算をやってみたい人は、知識の習得だけでなく、双対や随伴に強くなるためのトレーニングを必ずしましょう。[/追記]


注意:人名はカタカナ書きしますが、発音の正確性(むしろ類似性)は保証できません。

まず、ピエル-ルイ・キュリア(Pierre-Louis Curien、http://www.pps.univ-paris-diderot.fr/~curien/)の "The Joy of String Diagrams" :

URLに年号らしき2008が埋め込まれてますが、日付は May 14, 2012、たぶん改訂されたのでしょう。関手と自然変換の計算に必要なストリング図の基礎が10ページにまとめてあります。圏論がある程度わかったら、ストリング図入門の最初に読むのにいいと思います。[追記]最初に読むにはふさわしくないかも。理由はそのうち説明します。[/追記][さらに追記]キュリアの絵算」に説明を書きました。[/さらに追記]


次は、ポール-アンドレ・メリス(Paul-Andre Mellies、http://www.pps.univ-paris-diderot.fr/~mellies/)の "Functorial boxes in string diagrams" :

日付は July 20, 2006 となってます。こちらは、ブレイドやひねりも扱っているのでリボンを使った絵です。44ページの論説に色付きの綺麗な絵がたくさん載ってます。同じ(あるいは類似の)話題のスライドも公開されています("Functorial boxes" で検索すれば見つかるでしょう)。2008年8月の n-Category Cafeの記事 "Melliès on Functorial Boxes" でも言及されていますが、スライドのほうに関してですね。

ホームページのURLからすると、キュリアとメリスは同じ研究所の同僚のようです。


3つ目はロス・ストリート(Ross Stree、thttp://maths.mq.edu.au/~street/)の "Low dimensional topology and higher-order categories" :

PostScriptファイルです(26ページ)。ストリートは、TeXを使わない主義の人で、論文はMicrosoft Wordで書いているようです。紙面の印象が違います。ストリング図と高次圏の関係をなんとなく知るために、絵を眺めてみるのもいいでしょう。


オマケ:その他の資料

キュリアは、プログラム言語の理論と関連させた圏論の教科書も書いています。

ストリング図をビデオで学びたい人には、「圏論講義ビデオの制作ユニット The Catsters」で紹介した二人、ユージェニア・チェン (Eugenia Cheng)とサイモン・ウィラートン (Simon Willerton) による "String diagrams, adjunctions and monads"(http://www.youtube.com/playlist?list=PL50ABC4792BD0A086)があります(このシリーズの担当はウィラートン)。

サイモン・ウィラートンとマイク・シュルマンが3次元のストリング図(サーフェイス図)を、http://golem.ph.utexas.edu/category/2010/03/extraordinary_2multicategories.html のコメント欄に載せています。

こりゃ、描くの大変そうだ。ウィラートンの絵は、次の論文からの引用ですね。

ところで、群論における超絶絵算を見たいなら、「バードトラック -- 群論的なファインマン図」で紹介したツビタノビッチ本があります。http://www.nbi.dk/GroupTheory/ から"webbook"をクリックしてPDFを読めます。

圏論とストリング図に関するバランスが取れた総合的解説なら、以前「圏論勉強会」テキストに使っていたセリンガー(Peter Selinger、http://www.mathstat.dal.ca/~selinger/)の論文がオススメです。