だいぶ以前の論文なのですが:
- Title: Lambek vs. Lambek: Functorial Vector Space Semantics and String Diagrams for Lambek Calculus
- Authors: Bob Coecke, Edward Grefenstette, Mehrnoosh Sadrzadeh
- Submitted: 2 Feb 2013
- Pages: 29p
- URL: https://arxiv.org/abs/1302.0393
このなかの第7節 "Diagrammatic Reasoning in Monoidal Bi-Closed Categories" で、対称とは限らないモノイド閉圏におけるストリング図の描き方が説明されています。このテの絵はもう珍しくはないのですが、「おおっ」と思ったことがあります。
サムソン・アブラムスキー/ボブ・クック率いるオックスフォード量子組〈Oxford Quantum Group〉の描画方向は ↑→ です。射の方向は下から上に描くのです(「絵算(ストリング図)における池袋駅問題の真相」参照)。ところがなんと、上記の論文内では上から下の方向が採用されています。珍しい!
それが嬉しくって(なぜ嬉しいかは後述)、第7節のストリング図をコピーしてしまいました。
射の描き方
恒等射と一般の射はワイヤーとノードで描きます。
指数〈含意〉の描き方
対称とは限らないので、左からの指数 と右からの指数 があります。指数部のワイヤーは向きを逆転(ここでは下から上に)します。バエズは、2本のワイヤーを横に繋ぐ を留め金〈clasp〉と呼んでました。
同値な表現
モノイド積や指数はラベルで表して、ワイヤーは一本だけでもかまいません。
評価射〈eval〉
左からの引数渡しで評価と、右からの引数渡しで評価があります。
カリー化
左側をカーブさせるカリー化と、右側をカーブさせるカリー化があります。
ヤンキング〈ベータ変換等式〉
これも左と右のバージョンがあります。