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参照用 記事

2018-01-01から1年間の記事一覧

集合族と集合の集合、関連する構成法

「集合族」とか「集合の集合」という概念には、なかなかに微妙な点があります。N君も「うーん、よく分からないなー」と嘆いていました。ちょっとだけ真面目に(うんと真面目ではない)考えてみます。クラス関数による集合族の定義を導入して、これがけっこう…

米田の「よ」とか: ちょっと変わった記法・名前達

昨日、id:bonotakeさんがコメントにて: このようなものを見つけてしまったので、檜山さんにお知らせしたくて。 https://twitter.com/unununum_1/status/860125300104937472 twitterのURLをたどると、平仮名が数学記号に使われている例があります。実は、僕…

カン拡張における上下左右: 入門の前に整理すべきこと

随伴とその絵算についてかなり詳しく説明しました。 圏論の随伴をちゃんと抑えよう 圏論の随伴をちゃんと抑えよう: お絵描き完全解説 この勢いでカン拡張の説明もいけるかな、と思ったんですが、カン拡張はやっぱり難しい。難しいつうか、上下左右がさらに…

論理式内の名前の消去とイプシロン項

N君と話していて、「論理式のなかの名前は消そうと思えば消せるよ」と言ったのですが、名前とは何のことで、どうやって名前を消すかは言ってなかったので、ここに書いておきます。内容: モノイドの単位元 イプシロン記号 一意存在と一意イプシロン記号 一意…

圏論の随伴をちゃんと抑えよう: お絵描き完全解説

[追記 date="後日"]日本語の表記として「抑える」より「押さえる」が正しい気がしてきたけど、このままにします。使い分けがさほど明確なわけじゃないし、「抑える」に「支配下に置く」ような雰囲気もあるので。[/追記]「圏論の随伴をちゃんと抑えよう」のな…

圏論の随伴をちゃんと抑えよう

[追記 date="後日"]日本語の表記として「抑える」より「押さえる」が正しい気がしてきたけど、このままにします。使い分けがさほど明確なわけじゃないし、「抑える」に「支配下に置く」ような雰囲気もあるので。[/追記]「テキスト記法を図式順で書くか反図式…

小うるさいことをウダウダ言うなよ

Javaではif (flag == true)というコードを書いてはいけない その理由: 冗長である 代入と間違える可能性がある 遅くなる はあぁ?こういうドウデモイイ説教くさい話を「新人プログラマ応援」とかの名目で語るのって、すごく嫌い。もっと他に言うことあるだ…

対称モノイド閉圏におけるカリー化の変種

ずっと気になっていたことなのでメモしておきます、小ネタだけど。内容: モノイド閉圏とカリー化 左指数と右指数 対称な場合 モノイド閉圏とカリー化最初に、モノイド閉圏とカリー化の話題を扱った過去記事へのリンクを示します。 モノイド閉圏、オダンゴ、…

マイクロコスモ原理と逆帰納ステップ

最近、高次圏の話をいくつか書いてますが、高次圏そのものに興味を持ったというより、高次圏と向き合わざるを得ない感じなのです。マイクロコスモ原理の問題がけっこうシリアスで、なんとか回避したいのですが、どうもスッキリとは解決できないんです。仏教…

高次圏: 複雑さの3つ目の方向と相対階数

高次圏に関してダラダラ書くシリーズ。前回「高次圏: 複雑さの2つの方向と半厳密性」において、高次圏は、高次化と弱化の2つの方向で難しくなると書きました。もうひとつの難しさの方向として、階数が上がる方向について考えてみます。内容: 所属関係 相対…

マックレーンの五角形をインデックスなしの等式で表す

モノイド圏の定義でマックレーンの五角形と三角形が出てきます。最初は何だか意味不明なんですが、マックレーンの五角形/三角形の可換図式は、モノイド圏の肝のひとつです。これらの可換図式をインデックス(パラメータ、全称限量子の束縛変数)なしの等式…

山中伸弥教授のこと

山中先生、あまりにもあまりにもかわいそう。いやっ、「かわいそう」という言葉を使うのは失礼な感じがするんだが、心情としてはそう思う。こんなに酷い扱いを受けて、怒りもせず/絶望もせず、というのはちょっとあり得ないのではないか。テレビ番組に、解…

高次圏: 複雑さの2つの方向と半厳密性

タイトルに付いている「高次圏:」の意味は、前回記事「高次圏: 用語法と文脈(主に2次元)」を参照してください。要するに、ダラダラした記事です。「高次圏論は難しいなー」とため息をついているだけでは生産的じゃないですが、「なんで難しいか?」と考…

高次圏: 用語法と文脈(主に2次元)

高次圏論〈higher category theory〉に興味はあるし、必要性も感じているのですが、難しくてよく分からん、の状態が何年も続いています。高次圏に関してちゃんとした事をちゃんと書くのは僕には荷が重いので、思い付きをダラダラ書くことにします。そういう…

TypeScriptのはなし : ユニオン型がけっこうイイね

「TypeScriptのはなし : サンプル記述に最良の言語」に続き、「ごめんねTypeScript」シリーズ第二弾。って、シリーズにするほどの話題があるか分からんけど、TypeScriptのいい点を紹介したり褒めたりする話です。内容: TypeScriptのユニオン型はこんなに便…

離散集合ってなに?

N君に「で、離散集合ってなんですか?」と聞かれて、どう答えていいか困ってしまいました。対話N君 :「実数の全体は連続集合ですよね」檜山:「そうだね」N君 :「自然数の全体は離散集合ですよね」檜山:「うん、そうだね」N君 :「有限集合は離散集合です…

TypeScriptのはなし : サンプル記述に最良の言語

先週の金曜(2018-01-12)に、「TypeScript、お前もか: nullやundefinedの扱いがイイカゲン過ぎ」という記事(後にタイトルに「【事実誤認あり】」を追加)を書いたのですが、ほぼ言いがかりでした。謝罪と修正は「TypeScript、僕が悪かった、ゴメン: null…

TypeScript、僕が悪かった、ゴメン: nullやundefinedの扱いはマトモだった

TypeScript、お前もか: nullやundefinedの扱いがイイカゲン過ぎ ごめんなさい。↑の記事、僕がうかつな事を書きました。TypeScriptのコンパイラにオプションを付ければ、nullとundefinedに関してキチンとチェックします。きびしいチェックをするオプション付…

TypeScript、お前もか: nullやundefinedの扱いがイイカゲン過ぎ【事実誤認あり】

TypeScriptには期待してたんだけど、ガッカリだよ。それでもまー、割と好きだけど。*1[追記]各所でご指摘いただきました(ありがとうございます)ように、コンパイル・オプション付きなら、シングルトン型のセマンティクスになります。この記事はほぼ言いが…

米田埋め込み、米田拡張、そして米田モナド

どうやら、米田埋め込みを単位とするモナドがありそうです。ちゃんと構成するのはけっこう大変。このモナドを定義するためのアウトラインを示します。内容: 伝説としての米田モナド 前層構成子の上のモナド: 楽観的な導入 サイズの問題とフレイド/ストリ…

まともな型クラス への入門: 関数型とオブジェクト指向の垣根を越えて

2016年9月に次の記事を書きました。 関数型プログラミングとオブジェクト指向について、何か書く、かも タイトルからして引き続く記事を予告しているのですが、その予告を実行することができませんでした。タイトル中の「何か」とは「型クラス」のことです。…