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参照用 記事

2018-01-01から1年間の記事一覧

正確な記述と演繹のための非日本語記法

少し前に「TypeScriptで(無理して)論理式: 言霊排除」という記事を書きました。タイトル内の「言霊排除」の意味は、次のようなことです。 自然言語(日本語)には言霊〈ことだま〉が宿るとかいいますが、強烈なイメージ喚起力は言霊のパワーなのかも知れ…

モナドはモノイドだが、モノイドじゃない

わけわからん記事タイトルを付けてしまいました。モナドが、あるモノイド圏内のモノイド対象であることは事実です。が、モノイドとして扱ってもラチがあかない問題もあります。さあ、どうしましょう。定期的に、いやっ不定期的にだけど、マイ・モナドブーム…

前層の圏における記法と計算 もう少し

日本列島は自然災害に苛まれています。皆さんご無事でしょうか。「前層の圏における記法と計算」に関してもう少し。定義コンテキストと引数の話。内容: 定義のための構文 関手と自然変換での例 プロファイルリストと定義の正規化 おわりに 定義のための構文…

前層の圏における記法と計算

圏の記法はある程度整備されてますが、圏の圏や関手圏のなかの計算だと、これといった決まりごとはありません。決めておかないと不便なので、おおよその約束ごとをこの記事に書いておきます。関手圏、とくに前層の圏での計算を目的にします。内容: 前層の圏…

前層トポスの部分対象分類子

Cが圏のとき、Cop→Set という関手をC上の前層と呼びます。C上の前層の全体 [Cop, Set] は、関手圏として圏になります(その射は自然変換)。Cが小さいときは、[Cop, Set] はトポスになります。この前層トポスの部分対象分類子〈subobject classifier〉の構成…

『圏論による量子計算と論理』はエキサイティングだ (2/2)

クリス・ヒューネン・著/川辺治之・訳『圏論による量子計算と論理』(圏論による量子計算のモデルと論理)の内容については「『圏論による量子計算と論理』はエキサイティングだ (1/2)」で述べました。ここでは、内容そのものより、内容を説明・伝達する手…

『圏論による量子計算と論理』はエキサイティングだ (1/2)

共立出版の大谷さんに書籍『圏論による量子計算と論理』を送っていただきました。ありがとうございます。ざっと“眺めた”(一部分は“読んだ”)ので、感想だのナニヤラを記します。2回に分けた前編(1/2)です。今回は本の内容について、次回は内容以外について…

ポンプの補題とその使い方: 回文の例

ポンプの補題の証明は比較的簡単ですが、言っていることの解釈や使い方は難しいです。内容: なんかオカシイ ポンプの補題 正規言語 ポンプの補題 再度 「ポンプする」とは 「ポンプしない」とは 回文の全体は正規言語ではない おわりに なんかオカシイイン…

ロマ数ナイト #12 サポート記事: ホッジ・ランク

この記事は、「ロマンティック数学ナイト@渋谷 #12」の事後サポート用の記事です。今週中に何度か更新(編集・追加)すると思います。[追記 date="木曜・朝"]大きな編集・追加はまだしてません。ミスの修正、表現の変更はしました[/追記][追記 date="木曜・…

「ホッジ・ランク」は追記予定

ホッジ分解を利用して求めた順位、すなわちホッジ・ランクについては、追記予定です。追記したらtwitterで通知がいくようにします。ホッジ・ランクの絵も描いてあるしね。

TypeScriptで(無理して)論理式: 言霊排除

論理的議論は、日常生活の情念や雑念を取り払った、シンプルでドライなスタイルで遂行します。例えば、日常会話においては、「Aである」と「Aでなくはない」の意味は違います(違いをうまく説明できないけど)。論理(古典論理*1)では、「Aである」と「Aで…

ジイサンふたりの会話

某氏「OS-9って、今でも生きてるんよ」檜山「エエーッ」某氏「組み込み用だけどね、… 」 檜山「XAtomってあったでしょ」某氏「あったね、プロパティ名だっけ」檜山「あれ、実体は整数で… 」 某氏「ITRONだとね、socket使えんのよ」檜山「SVR4 TLI?」某氏「…

空虚な束縛とEPペア

昨日の記事「全称・存在限量子の色々をまとめた絵」に対するオマケのようなものです。が、昨日の記事とは独立に読めます。空虚な束縛〈vacuous quantification〉の話をします。随伴関手対の観点からの説明です。内容: 空虚な束縛とは 随伴ペアとEPペア 変数…

全称・存在限量子の色々をまとめた絵

過去に、随伴関手対を使った全称限量子と存在限量子の解釈や、限量記号(∀と∃)の使い方などを述べたことがあります。これらのことを、短くまとめる必要があったので、まとめの絵を描きました。その絵をこの記事に載せます。過去記事全称限量子と存在限量子…

訃報・又吉イエスさん

一週間ほど前に、又吉イエスさんがお亡くなりになっていたんですね。 http://www.matayoshi.org/document/fuhou.html 渋谷で街頭演説をする姿を何度か拝見したことがあります。甲高い声と独特なリズムのあの演説がもう聞けないのは残念です。ご冥福をお祈り…

カッコイイけど使える線形代数とは?

「カッコよさ」と「使えること」を両立させるにはどうしたらいいんでしょう?内容: 古式テンソル計算のモダン化 圏論的線形代数 思い起こせば ニョロニョロ線形代数 お絵描き線形代数 同一じゃなくて同型、これがイヤ! おわりに 古式テンソル計算のモダン…

上付き・下付き添字をマジに考えたら頭痛がした

先日の記事「古典的微分幾何・ベクトル解析のモダン化: ダイレクトインデックス記法」で、上付き・下付き添字の説明をしたのですが、説明の対象である上付き・下付き添字以外に、上付き・下付き添字の記法を大量に使っている事実に気が付きました。随分とひ…

古典的微分幾何・ベクトル解析のモダン化: ダイレクトインデックス記法

微分幾何では、点の座標やベクトルの成分表示において、上下の添字〈インデックス〉を使い分けます。これはもの凄く便利です。しかし、添字が整数範囲を動くとしていることで、余分な煩雑さが発生しています。整数範囲ではなくて、ベクトル空間の基底をその…

双対ベクトル空間、もう少し知っておいたほうがイイカモ

昨日「双対ベクトル空間、これくらい知ってればイインジャナイ」という記事を書きました。これは、後で参照する目的があったのですが、その目的にはちょっと足りないかな、と思うので補足します。新しい内容を追加するというよりは、別な観点から眺めたりま…

双対ベクトル空間、これくらい知ってればイインジャナイ

何を基準に「イインジャナイ」って言ってるのか? 僕も確たる根拠がない(苦笑)のですが、最小限の基礎知識プラス・アルファの内容が含まれてると思います。最小限の基礎知識ならば、前半(=はじめの4節)を読めばイインジャナイと思います。前半は標準双対…

古典的微分幾何・ベクトル解析のモダン化: 古式記法の現状と解釈

「古典的微分幾何・ベクトル解析のモダン化」シリーズを、もう1,2回は続けようかな、と思ってます。局所座標を使った計算で一番多いのは微分計算ですから、微分計算まではたどり着きたいなー、と。で、先に進む前に、「古式な記法に関する注釈や補足説明が必…

古典的微分幾何・ベクトル解析のモダン化: 局所座標って何だ?

多様体は局所座標を持っています。つうか、局所座標の集まりを備えた空間が多様体です。具体的な計算は、局所座標によって行います。この局所座標に関する丁寧な解説が意外に見当たらないので、ここで事例を中心に説明しましょう。内容: 微分幾何・ベクトル…

古典的微分幾何・ベクトル解析のモダン化: ラムダ記法の利用

[追記]続きの記事を幾つか書いたので、この記事がハブになるようにシリーズ目次を付けました。[/追記]微分幾何・ベクトル解析の古い教科書、あるいは古いスタイルで書かれた説明は、とても分かりにくいものです。記法の説明や計算の仕方はちゃんと書いてある…

IIDな確率変数達はどこから来るのか

「超曖昧語「母集団」「標本」にケリをつける // ID列と独立ベキ測度の前送り定理」で、間違いを書いてしまい訂正しました。訂正のところに、「たぶん間違った理由を説明します、後日」と書いてますが、間違いを説明するだけでは建設的でないので、「独立ベ…

全称記号・存在記号の練習:集合と写像の話題から

比較的最近、述語論理の全称記号・存在記号について書きました。 論理の存在記号∃をちゃんと使えるようになろう 論理の全称記号∀も存在記号∃もちゃんと使えるようになろう 特定分野の予備知識を仮定しないことにすると、例題は自然数や整数の話になりがちで…

超曖昧語「母集団」「標本」にケリをつける

曖昧・多義的に使われている専門用語は全然珍しくありません。確率・統計の分野でも、たくさんの曖昧語・多義語が登場します。そのなかでも、特に曖昧性がひどく、意味不明の四天王だと僕が思っている言葉は、 確率変数 分布 母集団 標本 です。どれも手強く…

二点しかない離散空間に長さ1の線分を描けるか?

a, bを実数の定数として、f(x) = ax + b は中学校で習った1次関数です。xの変域を単位閉区間 [0, 1] = {x∈R | 0 ≦ x ≦1} に制限します。ax + b = b(1 - x) + (a + b)x であることに注意して、s := b (sはstart点のs), t := a + b (tはtarget点のt)と置け…

論理の全称記号∀も存在記号∃もちゃんと使えるようになろう

「論理の存在記号∃をちゃんと使えるようになろう」: 自然数の大小順序だけでも、まだネタはありますし、もう少し練習問題があったほうがいい気もします。全称記号∀に関する説明が不足してるし、∀と∃の関係も述べていません。が、長くなるので今回はこのくら…

論理の存在記号∃をちゃんと使えるようになろう

距離空間や一般の位相空間を勉強中のN君ですが、「任意の」や「存在する」の扱いには苦労しているようです。特に、「前提にある存在命題の使い方が分からない」と。うん、難しいですよね。「習うより慣れろ」と言われても、そう簡単に慣れるもんじゃないです…

謎の食券販売機@渋谷

以前、松屋の食券販売機を話題にしたことがあります。 食券販売機のユーザーインターフェースについて: ひとつのアンチパターン 上記記事は、対話的機械としての“ユーザーインターフェースの悪さ”を指摘したものです。最近、見た目も振る舞いも謎な食券販売…