このブログの更新は X(旧Twitter)アカウント @m_hiyama で通知されます。
Follow @m_hiyama

ご連絡は上記 X アカウントに DM にてお願いします。

参照用 記事

行列の圏 の検索結果:

面白い二重圏達

…ています。 圏係数の行列の圏 ちょっと毛色が変わった二重圏の例として、半グラフを対象とする二重圏があります。 半グラフの二重圏と半グラフ変形 この二重圏では: 対象: 半グラフ タイト射: 半グラフのあいだの準同型写像〈半グラフ射〉 プロ射: 半グラフ変形 二重射: 半グラフ2-射(上記過去記事にはハッキリ書いてない) 圏論で重要な概念である随伴系〈随伴関手ペア〉は、それらをすべて集めて組織化すると二重圏になります。以下の過去記事で記述しています。 随伴系の二重圏 すべての随…

スパンとファイバー積と行列計算

…記事: スパンの圏と行列の圏 2016年に同じ内容の記事を書いています。が、過去記事では詳細までは書いてありません。 集合係数のスカラー・ベクトル・行列・テンソル この記事の続きです。 集合・関数係数行列の2-圏、モナドも添えて 色々な記法すべて集合圏のなかでの話です。射 $`f:X\to A \In {\bf Set}`$ は単に $`f:X \to A`$ と書きます。$`S\subseteq X`$ として、$`f`$ の $`S`$ への制限は $`f|_S : S …

圏の骨格の扱い方: 線形代数を例として

… Mat}`$ : 行列の圏。対象は自然数で、射は実数係数の行列(「 はじめての圏論 その第2歩:行列の圏」参照)。 外部骨格である $`{\bf Mat}`$ の埋め込み $`E`$ は次のように定義します。 $`n\in {\bf N} = |{\bf Mat}|`$ に対して、$`E(n) := {\bf R}^n`$ 行列 $`A\in {\bf Mat}(n, m)`$ に対して、$`E(A)\in {\bf FdVect}({\bf R}^n , {\bf R}^…

圏の対象の同型同値類の集合

…圏”*1と“実係数の行列の圏”はこの意味で似ています。どんなときにこの意味で似ているか? に対して、圏同値という概念を使うとうまく説明できます。しかし、あんまり大道具を使いたくないなー、とちょっと考え込んでいました。部分圏に少し説明を付け足すだけでも間に合いそうだな、と気づきました。 $`D`$ が $`C`$ の充満部分圏〈full subcategory〉であるとは: $`\forall A, B\in |\cat{D}|.\, \cat{D}(A, B) = \cat{…

ストリング図と相性が良いテンソル計算 1/2

…てのプロファイル”(行列の圏における域と余域)は、$`I \to J`$ となります。実数値関数としてのプロファイル $`I\times J \to {\bf R} `$ と行列としてのプロファイル $`I \to J`$ は別物です(考えている圏が違うので)。 $`A:I \to J`$ (行列として) $`V:{\bf 1} \to J`$ (行列として) $`H:I \to {\bf 1}`$ (行列として) $`A:I \times J \to {\bf R}`$ (…

米田テンソル計算 1: 経緯と発想

…ます。シーケント構成行列の圏から古典テンソルの圏を作り出すのと同じ圏論的構成法〈categorical construction〉を僕は簡約多圏構成〈reduced polycategory constructio〉とかポリ構成〈Poly construction〉と呼び、 のように書いてきました。それについては、次の記事に書いています。 対称モノイド多圏(簡約版) 簡約多圏とシーケント計算 後になって、ポリ〈poly〉を使うのはどうもよくないと思い、「圏論的ドクトリンの安直…

マルコフ・テンソルに関連する圏達

…二行に出てくる圏は、行列の圏またはテンソルの圏です。行列/テンソルに関しては、保存法則〈conservation law〉を考えることができます。 $`\forall x\in A.(\, \sum_{y\in B} m(y\mid x) = 1 \,)`$ (行列の保存法則) $`\forall x\in \prod(\lis{a}).(\, \sum_{y\in\prod(\lis{b})} t(y\mid x) = 1 \,)`$ (テンソルの保存法則) 保存法則を満た…

マルコフ圏におけるテンソル計算の手順とコツ

…で定義される圏です。行列の圏 Mat の対象集合も N で、番号ベースのテンソルの圏 Tens の対象集合は List(N) です。FXTens をこの記事では短く T と書いています。T は既に定義しました。N, List(N) を、有限集合/有限集合のリストに一般化した圏が表の二列目にあります。表の三列目は二列目の圏を多圏化した簡約多圏です。FXTens は既に多圏なので多圏化する必要はありません。FX は、Finitely eXtended の略で、単に X なら有限性…

有限的確率圏と多面体

…添字〉に許すマルコフ行列の圏をMarkovMatとします。次の圏同型が成立します。 FinDiscStoc MarkovMat (identity-on-objectsな同型) 通常の行列の圏と同様に、対象を自然数とみなしたマルコフ行列の圏をFMarkovMatとします。 FStoc FMarkovMat (identity-on-objectsな同型) FinDiscStocとMarkovMat、FStocとFMarkovMatは、同一視してしまっても問題ありません。FSt…

圏論的線形代数をもう少し: 自由ベクトル空間の圏

…tは(一般化された)行列の圏 FreeVectの射は行列 FreeVectの恒等射は単位行列 ( はクロネッカーのデルタ) FreeVectの結合は行列の掛け算〈乗法 | 積〉 *1:「すべてのベクトル空間は基底を持つ」と同値な命題です。通常、「すべてのベクトル空間は基底を持つ」は成立します。「通常」と言ったのは、選択公理が必要だからで、選択公理が使えないなら命題は成立しません。 *2:[追記]後で気付いたけど、見出しの文字は太字になるので関手か圏か区別が付かなくなりますね。…

多タプル・多行列とその計算 1/2

…の圏論 その第2歩:行列の圏 行列の圏をMatと書きます*2。Matの対象の集合はN(自然数全体の集合)で、ホムセット Mat(m, n) はm列n行(m行n列ではない)の行列の全体です。結合〈composition〉は、A;B = BA := BA (併置は行列の掛け算)で、恒等射は単位行列 idn := In = (n列n行の単位行列) です。(実数成分の)タプルは Rn = R×...×R(n個のR) の要素として定義されるのが普通ですが、ここでは、タプルを関数〈写像〉…

自由生成関手/自由忘却随伴と線形代数

…クライスリ圏と一般化行列の圏(添字集合を任意の集合にした行列の圏)は圏同型である。 線形結合モナドのアイレンベルク/ムーア圏とベクトル空間の圏は圏同型である。 モナドの一般論から、「クライスリ圏 ⊆ アイレンベルク/ムーア圏」とみなせます(規準的な埋め込み関手が構成できる)。線形結合モナドに関して「クライスリ圏 厳密自由ベクトル空間の圏」「アイレンベルク/ムーア圏 ベクトル空間の圏」なので、「厳密自由ベクトル空間の圏 ⊆ ベクトル空間の圏」とみなせます。ここで、次の問題が生じ…

ベクトル空間の基底とフレームは違う

…きベクトル空間の圏と行列の圏 補足: Matが太字じゃない理由 補足: マズいネーミング 基底とフレームベクトル空間の係数体〈スカラー体 | 基礎体〉は実数体Rに固定して、以下では係数体には言及しません。有限次元のベクトル空間だけ考えることにするので、単に「ベクトル空間」と言ってもそれは有限次元です。有限次元ベクトル空間と線形写像の圏をFdVectとします。ほかに、集合(と写像の)圏Set、行列の圏Matなどが登場します。ベクトル空間Vの部分集合Φが基底〈basis〉だとは、…

確率的圏、存在命題とスコーレム・コンビネータ

…あります。実数係数の行列の圏をMatとします。Matの対象集合はNで、行列の幅〈列数〉と高さ〈行数〉が dom, cod となります。次の条件を満たす行列をマルコフ行列〈Markov matrix〉と呼ぶます。 成分は非負実数 成分を縦に足すと1 マルコフ行列の全体はMatの部分圏となるので、それをMarkovMatとします*1。J(n) := ({1, ..., n}, Pow({1, ..., n})) と対応させると、自然数nは有限離散可測空間に対応します。マルコフ行列…

行列の圏のなかでモナドを探す

…0日前に書いた記事「行列の圏のなかでモノイドを探す」のなかで: 「行列の係数を、ブール半環 B から取らないとウマくいかない」は間違いでした。僕が、別な事例と混同してました。係数は半環(一例:自然数半環)なら何でもいいです。 僕が混同していた「別の事例」とは何でしょうか? それは、この記事の表題である 行列の圏のなかで(モノイドではなくて)モナドを探す 事例でした。行列の圏のなかには、モノイドが居ました(それが「行列の圏のなかでモノイドを探す」の主題)。モノイドの場合は、対象…

行列の圏のなかでモノイドを探す

…ることを示しました。行列の圏でも似た状況が生じます。ただし、コモノイドではなくてモノイドです*1。行列の圏のすべての対象(自然数)に対して一意的にモノイド構造が決まるのです。内容: 行列の圏とそのなかの構造 モノイド構造 圏のモノイド積/単位対象 幅がゼロの行列 行列の圏のなかのモノイド構造 モノイド構造が自然変換で与えられること そしてそれから 行列の圏とそのなかの構造最初にセミナー参加者の皆さん向けのご注意と訂正事項です。 例として扱う対象(自然数)は、3ではなくて2にし…

モナドの自由代数

…厳密自由代数の圏は、行列の圏と同一視可能です。 LinComb-StFreeAlg Mat LinComb-自由代数は、定義より、LinComb(A) の形のベクトル空間と同型なベクトル空間になります。(A, V, φ) がLinComb-自由代数だとすると、φ:LinComb(A)→V はベクトル空間の同型写像です。unitA:A→List(A) と φ:LinComb(A)→V を結合すると、A→V という単射ができます。この単射により A⊆V はベクトル空間Vの基底とみ…

最近のモナド論の概観と注意事項 2/2

…さい。 スパンの圏と行列の圏 商集合をとった後のホムセットが(考えている宇宙のなかで)小さくなるかはアヤシイです。 スパンの圏の構成に疑問 ホムセットのサイズは気にしないことにすれば、Span(C)は厳密2-圏となります。Span(C)内のモナドは、圏Cの内部圏〈internal category〉(の同値類)になります。内部圏については、nLab項目を参照してください。 0Adj(Span(C)) = (Cの内部圏の全体) 通常の圏〈ordinary category〉は、…

圏論の極限を具体的に

…tは、「スパンの圏と行列の圏」で定義しているSPAN(Set)と同じです。LimObj(F)は直積〈direct product〉A×Bです。 Cが平行対のとき、F:平行対→Set は、両端(始域と終域)を共有する2つの写像 f, g:A→B です。集合Xを頂点とする錐は、e;f = e;g を満たすような e:X→A を成分として、残りの成分は e;f, e;g で与えられます。LimObj(F)はfとgの等値核〈イコライザー | equalizer〉です。 [補足] 錐は…

圏論的モダリティ:圏上の非自然な構造達

…oothの部分圏は、行列の圏と圏同値(より強く圏同型)です。圏論的モダリティの定義自然変換に似ていても自然性(naturality)を持たないものを考え、それを使って改めてモダリティの定義をします。Cを圏として、Mor(C)はCの射の集合とします。写像 ξ:|C|→Mor(C) を仮に非自然変換(non-natural transformation)と呼びましょう。これは、Cの対象で添字付けられた射の族です。S(X) := dom(ξX), T(X) := cod(ξX) と…

同時確率分布の圏の使用例:超具体的

…過, 破棄} 上の確率分布 (96.326%/通過, 3.674%/破棄) を周辺確率分布として持ちます。同時確率分布の圏FinProbCoupにおける射の結合計算を「潜在的には使っている」は嘘ではないでしょ。比率(確率)の表が複数あって、それらを組み合わせて何かしたいときは、たいてい同時確率分布の圏やマルコフ行列の圏のなかで計算を行っています。ベイズ推論をするときは、マルコフ行列の転置(ベイズ反転)も使っています。意識はしてなくても、やってることは圏論的計算になっています。

同時確率分布の圏

…nProbCoupはいったいどこから出てきたんだ? と思うかもしれませんが、ベイズ確率の計算では使っています。有限集合上の確率分布や確率遷移写像はマルコフ行列によって表現できます。マルコフ行列の転置を作ることが、ベイズ推論で逆確率を求める計算になっています。確率分布(確率空間)とマルコフ行列の圏は、同時確率分布の圏と同型です。マルコフ行列の転置(ベイズ反転)を求めるとき、同時確率分布の圏を経由しています。同時確率分布の圏は対称性が高いので、転置(反転)が容易に行なえるのです。

関係圏 -- toward 量子と古典の物理と幾何@名古屋

…ス集合とするブール値行列の圏は関係圏と同じものです。その他の定義関係 R:A→B に対して、写像 R〜:A→Pow(B) を次のように定義します。Pow(B)はBのベキ集合です。 R〜(x) := {y∈B | xRy } R〜(x) を単にR(x)と書いてしまうと、 y∈R(x) ⇔ xRy 上記の同一視により、関係Rは非決定性写像(集合値写像、多値写像)とみなせます。関係圏と非決定性写像の圏は同じ(圏同型)です。集合Xにそのベキ集合Pow(X)を対応させる対応は、共変関手…

モナド論をヒントに圏論をする(弱2-圏の割と詳しい説明付き)

…5. 順序半環係数の行列の圏 6. 関係圏 7. アルファベット集合と翻訳の圏 8. 入出力を持つオートマトンの圏 9. 0次元のコボルディズム圏 10. 双加群の圏 単対象2-圏からのラックス2-関手 自明な2-圏 自明な2-圏からのラックス2-関手 弱2-圏BipartQuiv内のモナドは圏 左斜め加群と右斜め加群 左斜め加群の圏 ラックス2-関手の2-圏 まとめと展望 モノイド、モナド、圏モナドが一種のモノイドであることはよく知られています。モナドは、自己関手(endo…

スパンの圏と行列の圏

…t)は、一般化された行列の圏として表現できることに気付きました。 Span(Set) Mat|Set|Set の右側は一般化された行列の圏ですが、これは後で説明します。は圏同値です。かなり“強い”圏同値なので、イコールだと思ってもいいでしょう。つまり、Span(Set)とMat|Set|Setを同一視してもかまわない、ということです。内容: スパン 圏係数の行列 SPANとMATの対応関係 スパンSpan(Set)の前に、SPAN(Set)を定義します。大文字だけで書いたSP…

モノイド関手/ラックス・モノイド関手とその実例

…ド関手を、実数係数の行列の圏MatRからSetへのモノイド関手に拡張することができます。行列の圏におけるモノイド構造は、対角ブロック和*3と空な行列(MatR(0, 0)の要素)で定義します。今定義したモノイド関手 F:Mat→Set は、圏Matから実数係数のベクトル空間の圏VectRへの関手とみなすこともできます。「行列の線形写像としての解釈」とはこの関手のことです。この関手はモノイド関手なので、行列の対角ブロック和を(ベクトル空間または線形写像の)直和として解釈すること…

s-完備可換半環上の非可換半代数上の加群の圏に関する随伴性とその応用

…方法は、「ベクトルと行列の圏論的な解釈」の「ベクトル構成」の節に書いてあります(Funfin(S, K)を使った構成)。X = Fun(S, K) のs-完備性も含めた半ベクトル空間構造に関しては、「畳み込み半環の前送り準同型 -- パリクの定理に向けて」の「関数半加群」の節を参照してください。次に、A = Fun(M, K) と置いて、Aにもs-完備なK-半ベクトル空間の構造を入れます。さらにAには、モノイドMの乗法を利用して畳み込み積(convolution produc…

ベクトルと行列の圏論的な解釈

…するのか ベクトルと行列の圏の事例 ベクトル構成 クライスリ射とクライスリ結合 行列構成 ベクトル構成と行列構成の関係 幾つかの一般化 事前に決めること「スカラーを1次元的、または2次元的に並べたもの」という素朴な意味でのベクトル・行列を考える際に、次のことを決める必要があります。 スカラー系: スカラーとして何を採用するか。 添字集合類: 添字の集合はどうするか。 スカラー系「スカラーを並べる構成」で圏を作りたいという目的なら、スカラー系は体である必要はありません。環でさえ…

中学レベル代入計算からカリー/ハワード流証明の圏へ

…の違いを無視すると、行列の圏となる。 定数項を許しても、次元を1つ増やした行列で表現できます(アフィン写像の行列表現)。代入をシーケントで表す代入 λ(x, y).{2x + 3y - 1 >: v, y + 3 >: w} には、2つの基本代入操作が含まれます。それぞれを代入の成分(component, member)と呼ぶことにします。成分が1つでも、成分がまったくなくても(空代入)いいのでした。成分の個数は、代入先変数(出力変数)の個数と同じです。成分にもラムダ引数リス…

その後の抽象スカラー、それとダガー圏

…D = IdC 。 行列の圏Matにおいて、行列の転置を考えるとダガー関手になっています。具体的には次のように関手 D:Mat→Mat を定義します。 n∈|Mat|(|Mat| = N)に対して、D(n) = n A∈Mat(n, m) に対して、D(A) = At = (Aの転置行列) このDが、対象の上で恒等で対合的な反変関手なのはすぐ分かります。ダガー関手はダガー記号「†」を使って、D(f) = f† と書かれ、f†をfのダガー随伴(†-adjoint)と呼びます。ダ…