2022-01-01から1年間の記事一覧
デカルト圏をモノイド圏として定義したもの、つまり、デカルト・モノイド圏の定義はハッキリしています。が、デカルト・モノイド圏のあいだのデカルト構造を保つ関手、そのような関手のあいだの自然変換の定義って、意外に目にしないですね。デカルト・モノ…
「幾何代数、クリフォード代数って何だ?」に少し追記・補足をしておきます。$`\newcommand{\G}{\mathcal{G}} \require{color} \newcommand{\Keyword}[1]{ \textcolor{green}{\text{#1}} }% \newcommand{\For}{\Keyword{For } }% \newcommand{\Define}{\Keyw…
先日行われた「量子と古典の物理と幾何@オンライン」において、中村匡〈Tadas Nakamura 中村匡 (@gandhara16) | Twitter〉さん(面識はないのですが「さん」と呼ばせていただきます)が時空代数とかマルチベクトルとかを紹介されていて、面白そうだなと思い…
昨日の記事「コンピュータによる言語処理の常識」で紹介したシェブロテイン〈Chevrotaion〉に面白い機能があります。定義した文法の構文図〈シンタックス・ダイアグラム | レイルロード・ダイアグラム〉を生成してくれるのです。昨日の記事の実例だと、次の…
「指標記述のための構文」において、ホスト構文/ゲスト構文の問題(「箱を開ける鍵は箱の中」問題)に触れました。この問題の話をしようかと思ったのですが、若干の予備知識が要りますね。この記事で、コンピュータによる言語処理の常識的事項につて解説し…
僕は次のような構文で指標〈signature〉を書いています。 signature Semigroup { sort U operation m: U×U → U equation assoc :: (m × id_U);m ⇒ α_(U,U,U);(id_U × m);m : (U×U)×U → U }これは擬似コードで、明示的な構文定義や構文解析系〈パーザー〉があ…
「小さな小さな人気npmパッケージ」で、実質ワンライナーで、毎週100万ダウンロードほどされているパッケージを紹介しました。もっと短くてもっと人気のパッケージを見つけました。 https://www.npmjs.com/package/bail 中身は以下のようで、毎週5百万から6…
TypeScriptのジェネリック型定義を使って、コンパイル時にフィボナッチ数を計算してみます。面白いだけで、役には立ちません。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1} }`$内容: はじめに フィボナッチ数: 数の計算の場合 型の世界の順序・型・関数 型の世界の…
ソフトウェアとしてのnpmはパッケージ管理システム、そして https://www.npmjs.com/ は、膨大な数のパッケージを集積・管理している包括的アーカイブ・サイトです。JavaScriptライブラリの流通・再利用のインフラとなることがnpm(ソフトウェアとサイト)の…
「JavaScriptは2つの言語になったんだね」において、現状のJavaScriptは ESM2015+ と CommonJS という2つの言語に分岐してしまったと述べました。事実はどうあれ、そう考えたらフラストレーションは緩和されるだろう、という話です。さて、では2つの言語は統…
二項関係と非決定性関数は、事実上同じものなので同一視してしまうこともあります。が、導入時の定義は異なるし、印象〈メンタルモデル〉も違うように思えます。なぜ「事実上同じもの」なのかを確認しておいたほうが良さそうです。二項関係と非決定性関数を…
久々にJavaScript/TypeScriptを触ってみたら、モジュールシステムがESM〈ECMAScript Modules〉方式とCJS〈CommonJS〉方式のニ種類があって、ややこしく鬱陶しい状況になっているのね。これはフラストレーションがたまりますな。モジュールとか存在しなかっ…
「ストリング図とハイパーグラフ図」でハイパーグラフ図を紹介しました。その記事で、次のように書きました。 ハイパーグラフ図は、ストリング図とかなり似ているので、僕は積極的にハイパーグラフ図を使うことはなかったのですが、...[snip]... 僕がハイパ…
$`\newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1} } \newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1} } \newcommand{\lexp}{\triangleright } \newcommand{\rexp}{\triangleleft } \newcommand{\In}{\text{ in } } %`$圏論に現れるモノやコトを視覚的に表す描画法として、ストリング…
たまにリロードして、MathJax/XyJaxがレンダリングされるかどうか確認するためのページ。
内容: 原因は「はてな」のキーワードリンク はてな記法でも数式内のキーワードリンク問題はあった 2月まではうまくいっていたのに 原因は「はてな」のキーワードリンクなんばさん(ナょωレよ″丶)ょぅすレナ (@rna) | Twitter)のご指摘により、自動キーワードリ…
はてなブログでXyJaxが使えなくなった はてなブログでXyJaxが使えなくなって、どうする? 今日も記事を書きましたが、はてな記法を使わず、MathJax設定の数式囲み記号だけで書きました。 今日の記事: 緩化子〈ラクセイター〉 これは無事に表示されています…
律子 モノイド圏において、結合律は等式で成立するとは限らず、次のような射で記述されます。$`\quad \alpha_{A, B, C} : (A\otimes B)\otimes C \to A\otimes (B\otimes C)`$“結合律をゆるくした法則”を与える射(の族)$`\alpha_{A, B,C}`$ を associator …
「はてなブログでXyJaxが使えなくなった」ので、どうしたものか? と考えています。他のブログサービスをちょっと調べたのですが、最近はだいたいTeX数式に対応しているようです。が、エンジンがKaTeXが多く、それだとMathJax拡張であるXyJaxが使えません。2…
気付いたのは今日(2022-03-02)です。2022-02-16の記事「データベース・テーブルの変更を圏論的に見るならば 」にXyJaxコードが使われています。そのままここにコピーしてみます。 [tex:\xymatrix{ {} & {X}\ar[ld\] \ar[rd\] & {} \\ {A} & {} & {B} }\\ \…
データベース・テーブルのある時点での状態は集合として捉えることができます。しかし、状態の変更である“削除・更新・挿入”を写像としてモデル化するのはうまくいかないようです。写像(集合圏の射)に拘らずに、別な見方をしたほうが良さそうです。この記…
ここ何年かで、150分×10回で1クールのセミナーをシリーズとして行いました。話題は毎クール違うのですが、共通するテーマを一言でいえば「実用圏論」でしょう。ラムダ計算、プログラム意味論、論理、ベイズ確率論、データベース理論、システム設計などに“使…
「圏論的コンストラクタと圏論的オペレータ: 関手性・自然性の呪縛からの脱却」において、必ずしも関手性〈functoriality〉を持たない対応や、必ずしも自然性〈naturality〉を持たない変換を紹介しました。ときに、非関手的対応/非自然変換が多用されるこ…
自然変換や2-射はギリシャ文字小文字で書くのが習慣です。例えば次のように:一部のギリシャ文字は、その用途が習慣的に決まっています。習慣なので破っても問題ありませんが、あえて習慣から外れたことをしたいとは思いません。内容: モノイド圏 α, λ, ρ, …
文の種類に、平叙文〈declarative sentence〉や疑問文〈interrogative sentence〉などがあります。論理式で書かれるような命題は平叙文だと考えられるでしょう。では、論理式で書かれる“疑問文”はないのでしょうか? 不要なのでしょうか?命題をめぐる対話の…
「対称モノイド圏上の可換モナドはラックス・モノイド・モナドとみなせる」という事実があります。それを聞いても「あーそうですか、それで?」なんだけど、動機があって辿り着くと「ほー、そうかそうか、ウンウン」みたいな気分になります。動機・経緯につ…
本日(2022-01-17)2投目の小ネタ。$`\newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} }`$ n-圏の過剰高次射と反転原理 負次元の圏と(N, m, n)-圏 上記2つの記事で、n-圏(n次元の圏)のk-射(k次元の射)の話をしました。通常の圏(つまり1-圏)の議論に高次圏は出てこ…
【注意】2022年3月より、MathJaxまたは「はてなブログ」の仕様変更またはバグにより、MathJax/XyJaxを使った数式・図が表示できなくなりました。そのため、一部の数式・図は表示できなくなっています(ソースコードが見えます)。新しいタブまたはウィンドウ…
「n-圏の過剰高次射と反転原理」は僕の雑感でした。雑感の続きを書きます。関連する記事: ファンタジー: (-1)次元の圏と論理 負次元の圏一般に、すべてのn-圏を対象とする(n + 1)-圏を と書きます*1。“負次元の圏”と言い出したのはバエズ〈John C. Baez〉…
n-圏のなかで、nを超える次元の射の有無や性質が問題になることがあります。そのような射、つまり n < k であるk-射を過剰高次射〈excessively higher morphism〉と呼ぶことにします。過剰高次射に対する態度には次の3つがあるでしょう。 過剰高次射なんて…